CHAOS;CHILD 雛絵ルートの考察・感想 本当を求めた末に待ち受けたもの

2016/11/17

『STEINS;GATE』でお馴染みの「科学アドベンチャーシリーズ」の第4弾として制作された『CHAOS;CHILD』

妄想化学アドベンチャーである『CHAOS;HEAD NOAH』の続編であり、2014年にXbox Oneでリリースされたのを皮切りに、2015年にPS3/PS4/PS Vitaにも移植され、2016年4月28日にはPC版でも発売されました。

すでにアニメ化企画も進行中の本作をプレイさせていただいたので、考察と感想なんかを書いていこうと思います。

今回は個別ルートの1つである雛絵ルートについてご紹介。

なお共通ルートに関してはこちらでレビューしておりますので、よろしければそちらもご覧いただけたら幸いです。

スポンサードリンク

個別ルートの分岐について

個別ルートは妄想トリガーの選択によって共通ルートから派生する形で分岐していきます。

分岐ヶ所については章単位で行われ、例えば今回の雛絵ルートに関しては第6章から独自のストーリーが展開していきます。

具体的に言うと第4の事件のあと、拓留ギガロマニアックスだと判明して第5の事件が起きる前ぐらいのところって感じです。

ちなみに2周目をする過程で軽く読み返しながら進めてきたのですが、共通ルートでわかった事実のことを考えると色々と複雑で……。

この辺についても改めてネタバレありのところで書きたいと思います。

ネタバレなし感想:バッドエンドで終わっていれば幸せだったのに……

family

1周目をプレイした時もそうだったのですが、筆者は基本的に妄想トリガーを引きません。

もちろんクリア後に全部見ますが、単純に物語のテンポをよくするためですね。

その例に則って雛絵ルートに分岐してからは妄想トリガー使わずに進めたのですが、見事にバッドエンドでした。

だけどバッドエンドって文字を見るまではそうは思っていなかったんですよ。

つり橋効果で拓留雛絵は急接近、新しい事件に巻き込まれるも拓留雛絵と結ばれてハッピーエンド。

概要だけで言えばそんなものだったんです。

なのにスタッフロールの後に表示されたのは「雛絵BADEND」の文字。

これにはぽかーんとなりましたよ。

『CHAOS;CHILD』がそんな甘いゲームでないということは1周目で思い知らされましたが、それでも優しい世界だと信じたかったんですよ。

なのにようやくたどり着いた正規エンディングときたら……。

色々と言いたいことはありますが、そういったものはすべてネタバレありのところに書きたいと思います。

用語解説:妄想トリガーとは?

本当なら前回の記事で説明しておかなければならなかったのにすっかり忘れていた『CHAOS;CHILD』のシステム「妄想トリガー」

そもそも『CHAOS;CHILD』には、普通のノベルゲームであるような選択肢という概念はございません。

その代わりとして存在するのがこの「妄想トリガー」

人間であれば誰でもふとした瞬間に妄想することはありますよね?

その妄想が自分にとって良いこと(ポジティブ)の時もあれば、悪いこと(ネガティブ)なこともある。

『CHAOS;CHILD』の主人公、宮代拓留もそんなウィットに富んだ妄想を特定の場面で行うことになります。

それによって物語が分岐していくことになるのです。

ギガロマニアックスという妄想をリアルブートするという作品の設定に非常に合うシステムですよね。

例えるならば異性に何かプレゼントされたとき、「こいつ俺のこと好きなんじゃね?」と思うのがポジティブ何か裏があるんじゃないかと勘ぐるのがネガティブ素直に喜ぶのが妄想しないってことになんじゃないかなと思います。

捉え方は人それぞれですが、通常のノベルゲームの選択肢が相手側が自分に対する心証なのに対し、妄想トリガーは自分側が相手に対する心証に影響するものだと思っています。

ネタバレあり感想:本当を求めた末に待ち受けたもの

hinae

というわけでここからはネタバレありの感想です。

広告から先はネタバレしかありませんので、ネタバレを嫌う人はここであでぃおすぐらっしあーでお願いします。

とりあえずあのエンディングを見て「Nice boat.」を思い出したのは筆者だけではないはずだ!

いや、度合いで言えば「Nice boat.」よりもよっぽどえぐい展開だったんだけどさ。

雛絵ギガロマニアックス他者の言葉の真偽がわかるというもの。

思考盗撮に比べると限定的な能力ではありますが、それでも他者の心の内が読めるというのは異能力バトル物であれば非常に有用な能力でしょう。

ですが『CHAOS;CHILD』はそのような物語ではない上に、雛絵がその能力を手に入れた経緯が問題。

両親が共に別の相手と不倫し、信頼していた兄でさえ雛絵に本当のことを話さなかった。

両親はともかくとして兄については雛絵を思っての嘘でしたが、幼かった雛絵にはそれを理解することができなかった。

どこまでも嘘で塗り固められた雛絵は本当のことを求め、その上で手に入れたのがこのギガロマニアックスです。

けれどそれで知ってしまったのは自分のせいで兄が死んでしまったという真実。

そんな雛絵に残されたのは兄に対する罪悪感と不必要なギガロマニアックスだけでした。

嫌が応にも他者の言葉の真意がわかってしまう雛絵にとって、自分を誤魔化すことでしか他人と付き合うことができなかった。

そんな彼女が徐々に拓留にメロメロになっていく様は実に甘酸っぱく、純愛ギャルゲーをやっている気分にさせられたんですよ。

だけど雛絵の父親が殺され、雛絵自身も襲われていく中で拓留は疑ってしまう。

ちょっと疑ったところで普通ならばわからないのですが、能力がある雛絵にはそれが如実にわかってしまう。

この辺の駆け引きは実に上手く描かれており、この時点で筆者は1周目で世莉架が行った所業のことなどすっかり忘れていました。

挙句の果てにはこのゲームが『CHAOS;CHILD』であることも忘れ「最終的には2人はくっついてハッピーエンドになるんだろ」と疑ってはいませんでした(笑)

だというのに事件の犯人は雛絵の母親で、雛絵を庇った拓留は刺されて死亡、それを目の当たりにした雛絵は心神喪失し、ミイラとなった拓留を抱えながら幻の世界の中で幸せに暮らすというエンディング。

なんだよ、これ。なんだよこれえええええええ!!!

いや『CHAOS;CHILD』という作品らしいといえばそうなんだけどさ、あの上げて落とす感じが本当につらい。

バッドエンドで止めておけば本当の世界なんて知らなくて済んだのにorz

そして雛絵ルートにおける世莉架の立ち位置。

1周目において彼女は「拓留のために拓留のやりたがっていることをする」という行動を一貫して取っていました。

雛絵ルートではそんな素振りは見せず、拓留の幼馴染に徹していた彼女でしたが、実際にやっていることは1周目と全く同じでした。

拓留「ニュージェネレーションの狂気の再来」ではなく「有村雛絵という少女」に興味を映した瞬間、彼女はそれまで行ってきた事件を放棄して今回の事件を起こした。

それが如実にわかる展開で「これ、他のルートも全部こんなオチなんじゃ……」という恐怖心を与えられました。

現状、このまま続けてやりたい気持ちと、これ以上プレイするのがきついという気持ちが半々ぐらいです。

とりあえず今日のところは雛絵ルートでわかった事実を纏めるだけに留めて他のルートは後日に回したいと思います。

  • 今回の事件の黒幕

    作中では明言されていませんでしたが、まず間違いなく世莉架でしょうね。
    もしかすると雛絵の母親がこのタイミングで凶行に及んだのも世莉架が何らかの手引きをしたのかもしれません。
    では何故、彼女がそのような真似をしたのか?
    ここで気になるのが拓留の遺体の一部が欠損しているという事実。
    雛絵がAH総合病院の地下にいたこともそうですが、おそらくは世莉架がそこに2人を連れて行ったのでしょう。
    そして拓留の遺体から何かを奪った。
    それが心臓なのか脳みそなのかはたまた別の何かかはわかりませんが、世莉架の真の目的はそれを手に入れることだったのかもしれません。

  • 香月のギガロマニアックス

    雛絵ルートの中で目玉の1つとなるのが香月がしゃべったことでしょう(笑)
    長い間接していた新聞部メンバーが開かせることのできなかった香月の口を呆気なく開かせる雛絵さんまじパネェ。
    それはともかくとして雛絵が見た兄の幻を作り出してしまったのは香月ギガロマニアックスだという。
    これは他人の妄想をリアルブートするうきギガロマニアックスに近しい能力であることが伺えますね。
    香月が話さない理由もそのギガロマニアックスが関わってくるみたいなので、もしかすると口にした妄想がリアルブートするみたいなものなのかもしれません。

  • 雛絵が見た兄の幻について

    一応、香月ギガロマニアックスという風に示唆されていますが、それ以外にも可能性があります。
    それは佐久間思考誘導。
    思考誘導を使えば雛絵が兄が復讐しに蘇ってきたと思ってもおかしくなく、むしろこちらの方が雛絵の状態を考えると相応しいように思えます。
    しかしそこで疑問となるのが、佐久間世莉架に協力した理由。
    1周目では力士シールを使った事件を起こすことで委員会の目に留まりやすくするという目的で動いていた佐久間。
    しかし雛絵ルートにおいて力士シールは一切、でてきません。
    そうなると拓留絡みでなにか理由があったと推察できます。
    そこで思い出すのが拓留が真のギガロマニアックスという点。
    ギガロマニアックスの研究をしている佐久間にとって拓留は格好の被検体でしょう。
    拓留の遺体の一部が欠損していることから、世莉架ではなく佐久間がその部位を必要としていた可能性もあります。
    根拠はまったくありませんが、とりあえず香月ギガロマニアックスについてわかれば何かしらの答えが見つかるかもしれませんね。

  • スタッフロール後の描写は誰の視点だったのか?

    スタッフロール後、さも拓留視点のように物語が描かれています。
    しかしこの時点で拓留はすでに死んでいます。
    なのに雛絵世莉架には拓留の声が聞こえ、本当の世界が見えるという。
    本当の世界=雛絵の妄想と割り切るのは簡単ですが、果たして本当にそうなのでしょうか?
    もしこれが拓留視点であり、今見ているこの世界の方が偽りの世界だとしたら……。
    ……ま、まぁバッドエンドの世界の方が優しい世界だし、そう考えたら幸せなのは確かかもしれませんね。

こうして文章で改めてまとめてみると、ほとんどが筆者の妄想ですね(笑)

まぁ妄想科学アドベンチャーだけに妄想を楽しんで何ぼなんでいいんですけど……。

とりあえず次のルートは幸せなハッピーエンドになることを信じたいと思います!

それと今回のようにうっかり1周目で世莉架がやった所業を忘れないようにしたいと思います。

以上「DARK SKY END」のレビューでした。

スポンサードリンク

CHAOS;CHILD レビュー記事まとめ

-ノベルレビュー
-, , ,