CHAOS;CHILD うきルートの考察・感想 胡蝶の夢が見せる理想は誰のもの?

2017/02/06

『STEINS;GATE』でお馴染みの「科学アドベンチャーシリーズ」の第4弾として制作された『CHAOS;CHILD』

妄想化学アドベンチャーである『CHAOS;HEAD NOAH』の続編であり、2014年にXbox Oneでリリースされたのを皮切りに、2015年にPS3/PS4/PS Vitaにも移植され、2016年4月28日にはPC版でも発売されました。

すでにアニメ化企画も進行中の本作をプレイさせていただいたので、考察と感想なんかを書いていこうと思います。

今回は個別ルートの1つであるうきルートについてご紹介。

なお共通ルートに関してはこちらでレビューしておりますので、よろしければそちらもご覧いただけたら幸いです。

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絶望感溢れる分岐ポイント

うきルートへの分岐は雛絵ルートや華ルートとは違い、第8章から分岐します。

それも拓留が第6の事件の現場に駆け付けたところで、です。

ネタバレになるのでここでは詳しくは書きませんが、第6の事件「非実在美少女」は、「ニュージェネレーションの狂気の再来」の中でもかなり精神的に堪える事件です。

というか筆者が共通ルートやってて最初に心折れたポイントです。

最初からこんな重い展開は想定していませんでした。

とはいえこれだけの始まり方をした以上、少なくとも華ルートのようなトンデモ展開にはならないと思い、期待しながらプレイしました。

ネタバレなし感想:他のルートに比べてエンディングの多さが目立つ

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これまでのルートをそれぞれ「サスペンス」「純愛ギャルゲー」「パニック物」と称してきた筆者にとってうきルートは「ホラー」でした。

別に露骨なホラー演出があったとかそういうわけではないのですが、終始うすら寒い感覚に襲われて、5月なのに思わず長袖を着こんでしまうくらい。

というのは最初からクライマックスで始まったのにも関わらず、それとは一転して平和な日常が描かれ続けたからです。

話の流れは読みやすいのですが、いつ何時に牙を剥かれるのかと戦々恐々になりながらプレイしていました。

それでいて素直な展開ではなく、あのオチに持っていくのは心に打たれるものがありました。

また、うきルートはこれまでの個別ルートに比べて非常に分岐が多く、バッドエンドが4つに固有エンディングが2つとなっています。

せっかくの選択式のゲームなのですから雛絵ルートや香月ルートのように正解が1つしかないお話より、ちょっとした選択でエンディングの意味合いが変わるスタンスは凄く良かったです。

用語解説:ニュージェネレーションの狂気

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作中設定のネタバレになる可能性もありますが、今回は「ニュージェネレーションの狂気」について。

前作『CHAOS;HEAD NOAH』で描かれた渋谷で次々起こる不可解な連続事件の総称。

犯行手口が事件ごとに異なり、自殺や明らかな他殺のものが入り混じっているが、一貫して多くの謎が残っていたため「ニュージェネレーションの狂気」の総称で知られていた。

『CHAOS;CHILD』ではそんな「ニュージェネレーションの狂気」を彷彿とさせる連続殺人事件が起きているのですが、力士シール以外にもこちらは明らかに殺人で、被害者も1人ずつという違いがあったりします。

ちなみにどちらも普通にグロいですが、『CHAOS;HEAD NOAH』の方はただグロいだけで精神的に来るものがない分、まだマシかと思います。

とはいえどちらもコンシューマでZ指定を受けた作品、プレイするのならそれ相応の覚悟を以って臨んでくださいね。

ネタバレあり感想:胡蝶の夢が見せる理想は誰のもの?

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というわけでここからはネタバレありの感想です。

広告から先はネタバレしかありませんので、ネタバレを嫌う人はここでブラウザバックをお願いします。

とりあえず個別ルートに入る条件に結衣の死亡を含めないでくれよorz

うきルートの分岐ポイントは伊藤結衣「非実在美少女」に分解した直後からです。

その時点で筆者の心が色々とあれなのに、今回のお話が「うきが拓留に斬られた」ことを気づかせないために妄想の世界に閉じ込めてしようとしたという点。

逆に「拓留がうきに斬られた」のなら自責の念で生かそうとしたのはわかります。

ですが故意ではないとはいえ斬られたのはうきの方で、拓留の心を守るためにうきは妄想の渋谷をリアルブートするのです。

だけどそれは拓留の妄想ではなく、うきが望んだ優しい世界のわけで……。

うきの望みは他者への献身。

今回はその対象が拓留だったために彼が望んでいた理想の世界がリアルブートされています。

その中でもわずかながらにうき自身が望んだ幸せが含まれているというのが実にいじらしい。

今回のルートで一気にうきのことが好きになりました。

ただそれと同時に色々とうきについて考えさせられることがありました。

  • 山添うきという少女

    今回の話で「地下に閉じ込められたうきが『穢れなく、いつまでも無垢なままで、自分たちを世話してほしい』という周囲の願望がリアルブートし今のうきを形作った」といった描写があります。
    結衣が知っている以上、山添うきという少女は存在していたのは間違いありませんが、もしかすると作中に出てくるうきとは全く別の人格の少女だったのかもしれませんね。
    少なくともうきの姿が小学校2年生当時のままというのは、このせいで間違いないでしょう。

  • うきのギガロマニアックス

    上記の続きの話になるのですが、うきのギガロマニアックス「他者の妄想をリアルブートする」というものです。
    当初、拓留が囚われていた妄想の渋谷は拓留の妄想をうきがリアルブートしたものだと思っていましたが、終盤で「うき自身が自分の妄想を無意識にリアルブートした」ものだということが明らかになりました。
    しかしうきのギガロマニアックスの能力を考えるとこれは矛盾しているように思えます。
    ですが元々、うきAH総合病院地下で囚われていたギガロマニアックスの被検体でもありました。
    そう考えると本物のギガロマニアックスであった可能性もあり得なくはありません。
    「ニュージェネレーションの狂気の再来」で使われた力士シールうきがリアルブートしたものということを考えると、もしかすれば佐久間辺りに「他者の妄想をリアルブートするギガロマニアックス」を望まれたからそういう能力に限定されたのかもしれませんね。

  • 蒼崎夢という少女

    妄想の渋谷で拓留にラブレターを送る10年に1人の美少女。
    10年に1人という設定自体は拓留の願望なのでしょうが、見た目に関してはうきの理想が入っていたと思います。
    もちろん完全に拓留の好みっていう可能性もありますが、妄想の渋谷はうきにとっても理想の世界だったので、一概にどちらとも言えない。
    ただ1つ確かなのは、うきちゃん普通に成長しても美人だったんだなぁってことぐらいですね!

  • うきと澪が話をしたタイミングがわからない

    今回の話で唯一わからなかったこと。
    妄想の渋谷の中から拓留を呼び戻すためにうきから助言を受けたような描写があります。
    ですけどそれってタイミング的に不可能ですよね?
    拓留が妄想の渋谷に囚われた時点でうきは斬られて昏睡状態に陥っているのですから。
    上記のうき世莉架同様にリアルブートされた人間であれば、そういったことも可能であるかもしれませんが、それを示唆する描写はない。
    これについてはライターさんの設定ミスなのかもしれないって思えるぐらいわからなかったです。
    わかる人がいたらコメントで教えてもらえれば幸いです。

  • 世莉架のギガロマニアックス

    今回はうきの妄想の世界のお話だったので、世莉架は出張ってくることはないと思ったのですが、「DREAM SKY END」最後の最後で爆弾を落としていってくれました。
    心神喪失したうきを車椅子で連れた拓留に対し、世莉架「タクはいいんでしょ? それで」と尋ねます。
    何気ない台詞なのですが、共通ルートで彼女の内面を知っているプレイヤー目線で見ると非常に恐ろしい台詞でした。
    だってこれ、世莉架拓留がうきの世話をすることを望んでいるからこそ、現状意地に徹しているという台詞にとれるからです。
    裏を返せばもし拓留うきの回復を本気で望むのであれば、すぐ回復させることができるのではなかろうか?
    つまり世莉架は劣化したギガロマニアックスではなく本物のギガロマニアックス?
    それを示唆できる描写があっただけに、今後の動向にも注目したいところです。

こうして文章に纏めてみると、どうして筆者はあんなに怖がってプレイしていたのかわからなくなってきてます(笑)

とはいえうきルートは結衣伊藤にバラバラにされたところからのスタートであるにも関わらず、拓留の望みが変わったことであっさりと事件を放棄した世莉架の異常性。

世莉架の存在意義が「拓留にやりたいことをやらせる」というものなので彼女の行動に理解できなくはありませんが、だからといって恐ろしいことには変わりありません。

世莉架こわい、マジ怖いって感じです。

……と、とりあえず伊藤については共通ルート同様に生存してくれていると信じたいですね!

以上「DREAM SKY END」およびに「ANOTHER SKY END」のレビューでした。

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