ZERO ESCAPE 刻のジレンマ D-END:1の感想・考察 善人シボウデスに繋がる未来

2016/11/17

2016年6月30日にPSVita/3DS/PCで発売された『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』

『Ever17』『12RIVEN』などのInfinityシリーズを手がけたことで知られる打越鋼太郎さんがディレクター・シナリオを務めた本作は『9時間9人9の扉』『善人シボウデス』に続く『極限脱出』シリーズの最新作であり、完結編として制作されました。

実に7年に渡る集大成として制作された『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』を早速買ってきたのでプレイレビューを書いていきたいと思います。

今回はD-END:1の感想と考察をメインに紹介していきたいと思います。

なお最初のエンディングについてはこちらの記事に書いております。

『極限脱出』シリーズの簡単な紹介も書いておりますので、もしよろしければそちらから目を通していただければ幸いです。

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現状、出ている殆どのフラグメントの回収が終わりました

前回のQ-END:1の感想時点では、Q-ENDと言いつつ、ほとんどがCチームのフラグメントばかりという状態でプレイしました。

それに対し今回のD-END:1では、Dチームのフラグメントもしっかり回収し、プレイ状況は以下のとおりとなっております。

  • FCFS:Q
  • Radical-6
  • Pop Off
  • Suppression
  • Cinema
  • Transporter
  • Door of truth
  • Outbreak

この内、D-END:1に繋がるのは「Radical-6」と「Outbreak」の2つのみ。

前回と合わせてフラグメントのほとんどが時系列順にすると途中で止まっている状況です。

ですがそのほとんどはキーワードがわからなかったり、他のルートで特定の行動をしていないが故のどん詰まりだったりと、重要な伏線が出てきました。

それらについてはネタバレありの考察部分で触れていき、まずはネタバレがない程度の今回のエンディングについての感想に触れていきたいと思います。

ネタバレなし感想:善人シボウデスを再プレイしておけばよかった

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D-END:1は前作『善人シボウデス』過去でもあり、未来とも言えるエピソードでした。

シグマの口からルナ(善人シボウデスの登場人物)の名前が出てきたり、ファイの過去に触れられるなど、前作をプレイしている人にとっては非常に興味深く、それでいて懐かしい話が盛り沢山でした。

しかし今作の謳い文句として「単体でも楽しめる」とありましたが、普通に『善人シボウデス』ネタバレされているのはどうなのだろう?

プレイしていない人には何のことかはわからないのですが、プレイしている筆者から見て「これからプレイする人にこの要素は致命的なネタバレだよね?」って思える部分が多々ありました。

まぁ『善人シボウデス』は4年前のゲームですし、シリーズ紹介PVでも普通にネタバレしている以上、仕方のないことかもしれませんけどね。

逆に『善人シボウデス』プレイ済みのユーザーからすれば、今回のルートでどのような経緯でシグマがあの計画を導き出したのかなどが顕著に描かれたのが良かったです。

惜しむらくは筆者が『善人シボウデス』プレイしたのが昔過ぎて、断片的な記憶しか残っていないことでしょうか。

別のゲームのレビューでも言ったような気がしますが、こんなことならば前作を再プレイしておけばよかったと軽く後悔したぐらいです(笑)

システム紹介:映画や海外ドラマのように進むシネマパート

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前回紹介した「フローティング・フラグメント・システム」『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』の代表的なシステムと言うべき要素ですが、その一方で特徴的な要素と筆者が感じているのは、物語を読み込んでいく時の「シネマパート」です。

普通のノベルゲームであれば、オートモードが搭載されつつも基本的にはマウスをクリックして読み進めていくのが常です。

しかし『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』はそうではありません。

基本的にクリックによる読み飛ばしはなく、登場人物一人ひとりの言葉を聞きながら物語に触れていきます。

感覚としてはノベルゲームというより、映画や海外サスペンスなどに近い感覚だと思います。

それ故に描写というものが一切なく、基本的に登場人物の会話のみで物語が進んでいきます。

初めのうちは普通のノベルゲーム感覚で読み飛ばせないことに苛立ちを覚えましたが、すぐにその仕様にも慣れました。

というのは非常に間のとり方が上手いと思ったからです。

1会話1会話ごとに生まれる僅かな空気、それは正に海外サスペンスを見ている雰囲気にさせられます。

それがより緊迫感を生み出し、要所要所で挟まれる脱出ゲームやディシジョンゲームへの緊迫感を増してくれているような雰囲気にさせられました。

ちなみに「シネマパート」は字幕・音声ともに日本語と英語の切り替えが可能で、人によっては英語の勉強にも使えるかもしれません。

現在、筆者は日本語でプレイしていますが、1度全部クリアし終わったら、英語音声でプレイし直そうかなと考えています。

ネタバレあり感想:そして歴史は繰り返される?

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というわけでここからD-END:1ネタバレ感想・考察となります。

広告の下はネタバレとなりますので、ネタバレを嫌う人はブラウザバックをお願いします。

ラジカル6はこうして世界にバラ撒かれることになったのか――。

今回のルートではまず、QチームがFBRに感染させられた疑いを持ち、ラジカル6を注射するかどうかが重要になってきます。

FBR――Fanatic Bio R致死率100%のウイルスで、ラジカル6致死率75%のウイルスです。

けれど2つを同時に摂取することで両者の効果は相殺されることとなります。

正に毒は毒を制すという状況なのですが、Qチームはここで打たない選択肢を取りました。

しかしミラだけはラジカル6の注射器を隠し持っていきます。

一方のDチームは爆弾で扉をこじ開けることで地上への脱出路が生み出されることに気づき、扉の前に爆弾を仕掛けます。

しかしそのことにゼロは激怒、爆弾の仕掛けられた扉の向こうにQチームを昏睡状態で待機させ、爆風による被害に遭わせようとします。

それを知ってシグマは爆弾を止めようとするが間に合わず、爆弾をもろに浴びたことによって片目と両腕が損傷してしまいます。

さらに扉の向こうにいたエリックQは死亡、ミラは辛うじて生きていますがDチームが爆弾を仕掛けたことを恨み、ファイを隠し持っていたラジカル6に感染させて死んでしまいます。。

このままファイを外に連れ出せば、結果的に60億人の人類が死に至ることになる。

けれどこのまま放置しておけばシグマファイも死ぬ。

その状況でダイアナは外に行くことを選びます。

その現実を目の当たりにしてシグマは思うのです。

歴史は変わらなかった――と。

『善人シボウデス』の記憶はうろ覚えなのですが、確かシグマは過去の自分と意識を入れ替えることで未来からやってきています。

なのでこの後、再び過去のシグマと意識が入れ替わり、45年に渡り過去を変えるための工作を行うことになるのですが、そんなシグマを支えたのが後にルナのモデルとなるダイアナだったんですね。

その一方でファイが45年の眠りにつかされた理由の一端も「ラジカル6に感染させられたから」と一応の説明がつきます。

ですが同時にわからなくなったことがいろいろと出てきたので、いつものようにそれら1つひとつについて触れていきます。

  • Dチーム以外の6人が死んでいるはずなのに『善人シボウデス』に繋がる歴史である理由は何故?
    D-END:1を見て最初に浮かんだ疑問がこれでした。
    『善人シボウデス』のネタバレになるのですが、あの計画での黒幕は67歳になった過去のシグマなのですが、その助手としてが手伝っています。
    さらにアンビデックスゲームの舞台には老人となった淳平の姿もあります。
    しかし今回のディシジョンゲームにおいてすでに淳平も死んでいる。
    そこの矛盾がわからない。
    一応の可能性として、以下に記載のトランスポーターを用いて別の歴史にやってきたという可能性。
    もう一つは今回のディシジョンゲームに参加している淳平偽物という可能性です。
    ただどちらの可能性もちょっと無理があるように思うんですよね。
    むしろシグマダイアナがトランスポーターで別の歴史に到達したと考えたほうが自然なような……。
    この点については作品の根幹にも関わる部分となるので、なんとかトゥルー行くまでに考えをまとめたいのですが、全然思いつかなくて悲しい。
  • トランスポーターによる歴史移動は本当に行われているのか?
    人類ではないより高度な存在が作り上げたと言われる1888年に見つかった装置。
    物体のコピーを別の歴史、別の時間に送り込むもので、それによって「Transporter」から「Door of truth」の歴史に飛んだシグマダイアナ
    「Transporter」の方ではこれ以上、為す術がなく手詰まり、「Door of truth」の方でもパスコードがわからなくて手詰まりとなっている状況なのですが、そもそも本当に肉体ごと歴史移動などできるのかという点が疑問です。
    というのはディシジョンゲームでは90分単位で記憶が消されています。
    それを利用すれば歴史を飛んだと錯覚させられるのではないかということ。
    あるいは逆に登場人物たちに歴史を飛んだことを気づかせないために記憶を消しているとも考えられます。
    こうして物語を読み進めている段階で様々な考えが頭に過る辺り『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』は実に良く出来ているなと思ってしまいますね。
  • トランスポーターによる歴史移動は本当に行われているのならゼロの正体は?
    トランスポーターの力が本当だと仮定すると、ゼロの正体は別の歴史、別の時間からやってきた登場人物9人の中の誰かということが考えられるんですよね。
    この内シグマファイはラジカル6漏洩事件を阻止するために動いているのがわかるのでおそらく違います。
    ダイアナは未来のシグマの恋人だった女性でもあるのでゼロには成り得ないでしょう。
    カルロスは重要なキーパーソンではありそうなのですが、それは主人公サイドであると思うので黒幕ではなさそう。
    ミラは17年前の殺人事件の真犯人ですが、それ以上の設定はなさそうなのでやはり違うと思う。
    Qは顔が隠れているので何ともいえないのですが、たぶん『善人シボウデス』に登場したカイルの意識が入っているような気がするので、犯人ではない。
    淳平はこれまでのシリーズとの性格の違いが怪しいのですが、それ以上に怪しいのはエリックです。
    ただエリックの場合、2番目のゼロというよりは、フリー・ザ・ソウルのボスであるブラザーなのではないかと思っています
  • フリー・ザ・ソウルのボス、ブラザーの正体

    エリックの正体がブラザーだと思った理由としては、様々な点で符合してくるからです。

    1.エリックブラザーは共に弟がいたが、すでに死別している。
    2.エリックは父親に強要されて弟クリスを殺した=醜い欲望に常に晒されてきたというブラザーの特徴に酷似?
    3.2074年の未来でも2028年の現在でも「ブラザーは高齢」であることが示唆されている=トランスポーターによる時間移動の可能性。

    前作プレイ済み前提の知識があるのでミスリードのような気がしないでもないですが、登場人物の立ち位置的に未来のエリック以外しか可能性のある人物が居ないんですよね。
    ただ上述の通り、淳平も疑わしいと思っているので、まだ断定はできないです。

  • 淳平と天明寺の性格の違い
    これも前作『善人シボウデス』プレイ前提の知識なのですが、どうにも性格が違い過ぎるような気がするんですよね。
    45年も時が経てば性格が変わってしまうといえばそれまでなのですが、記憶違いでなければ『善人シボウデス』淳平は茜に会うことができていなかったはずなんです。
    それに対して『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』では思いっきり会っている。
    こうなると違った歴史を辿ったのか偽物かのどちらかとなってきます。
    ですがそうなるとD-END:1が本当に『善人シボウデス』の過去にあたる歴史であれば、茜も偽物となってくることになります。
    しかしそれもそれで無理があるような気がする。
    なんだか考えれば考えるほどわけがわからなくなってきますね。
  • Qの正体について
    前回の記事でQ=マリアではないかと考察しました。
    ですが筆者の中で今回新たにQ=エリックの弟であるクリスである可能性も出現し、読み進めることでクリスはすでに死亡しているためQ=クリスのクローンという可能性も導き出しました。
    ですがそれとは別にしてある可能性に気づいてしまったのです。
    Qは人間ではないという可能性に。
    というのは、D-END:1で爆発の余波で死んだエリックミラQの死体の違いに気づいたからです。
    エリックは顔面を血に染め、ミラも破片が脇腹に刺さりながら死んでいました。
    ですがQには目立った外傷らしいものは一切なく、ただそこで死んでいたのです。
    2074年の技術では人体そっくりなゴーレムという存在がいたように、Qもそういった存在なのではないでしょうか?
    やはり『善人シボウデス』の知識によって導き出された答えですが、この点に関してはたぶん間違いないんじゃないかなって思っています。
  • 17年前に死んだ6人の謎
    2番目のゼロがやたら持ち出す17年前の犠牲者6人。
    ミラに殺された女性、無実の罪を着せられ処刑されたと自殺したその妻、交通事故で死んだタクシードライバーと偶然乗り合わせた外科医、そしてその外科医に治療されるはずだった患者
    ディシジョンゲームの発端とも言うべき事件ではありますが、様々な形で今回の登場人物に関わってきているような気がします。
    ミラに殺された女性はおそらくエリックの母親で、だからこそミラエリックに何かしら惹かれるものを覚えていた。
    無実の罪を着せられて処刑されたその妻の間には2人の子供がおり、実は赤毛だったというファイの暴露話から、ダイアナファイ生き別れの姉妹なのではないかと漠然と思えてしまう。
    とりあえず言えることは「カタツムリさんパネェっす!」ってことだけでまだまだ関係性は謎だらけですね。

今回は『善人シボウデス』が密接に関わってくるということでそちらの知識も結構ネタバレに入れてしまったのですが、たぶん忘れていることも多そう。

こうなると『9時間9人9の扉』の方はより忘れていることが多そうなので、謎解きれないかもしれません。

ただ単体でも楽しめることが本当であれば、推理の部分でそれらの知識は必要としないはずなので、目に見えている情報から謎の答えを導き出せればいいなと思っています。

フラグメントの回収率からおそらくは次のエンディング辺りから確信に触れたものとなってくると思うので、期待しつつプレイを続けたいと思います。

以上、D-END:1のレビューでした!

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