ZERO ESCAPE 刻のジレンマ CQD-END:2の感想・考察 これが最後の極限脱出

2016/11/17

2016年6月30日にPSVita/3DS/PCで発売された『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』

『Ever17』『12RIVEN』などのInfinityシリーズを手がけたことで知られる打越鋼太郎さんがディレクター・シナリオを務めた本作は『9時間9人9の扉』『善人シボウデス』に続く『極限脱出』シリーズの最新作であり、完結編として制作されました。

実に7年に渡る集大成として制作された『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』を早速買ってきたのでプレイレビューを書いていきたいと思います。

今回は最終ルートでもあるCQD-END:2の感想、さらには全体の総括などを書いていきたいと思います。

なお最初のエンディングについてはこちらの記事に書いております。

『極限脱出』シリーズの簡単な紹介も書いておりますので、もしよろしければそちらから目を通していただければ幸いです。

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極限脱出シリーズ、これにて完結!

前回は衝撃的過ぎるゼロの正体が明らかとなりました。

ですがよくよく考えてみると、まだゼロがディシジョンゲームを行った真の目的というのが明らかとなっていないんですよね。

最終ルートではそれらが明らかとなり、さらに全員が生き残るために行う最後の決断を迫られる事になりました。

ネタバレなし感想:これ絶対にスピンオフ出る奴だー!

future

終わってみれば、実に収まるべきところに収まったというエンディングでした。

ゼロの正体が衝撃を受けすぎて、感覚が麻痺していた部分があったようにも思えますが、最終的な終着点としては良い落とし所だったと思います。

……ただ続きを描こうとすれば十分描けそうな終わり方なんですよね。

そもそも後日談のようなものが、クリア後のFileに追加されているのですが、その続きが非常に気になる。

極限脱出にはできなさそうではありますが、スピオンオフで出てくれないだろうか?

まぁその辺についてもネタバレありのところで書いていきたいと思います。

ネタバレあり感想:未来とは、自分たちの手で切り拓いていくものだ

future2

というわけでここからCQD-END:2、およびに『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』全体についてのネタバレ感想・考察となります。

広告の下はネタバレとなりますので、ネタバレを嫌う人はブラウザバックをお願いします。

――こうして1人の犠牲もなく80億の人類が救われる未来が生まれました。

デルタがディシジョンゲームを行った目的、それはカルロスたちに80億人の人類を救う決意をさせるということでした。

極限状態の密室空間の中で何度も命のやり取りをし、その中で実際に命を落とした歴史も存在しています。

そうした世界を形態形成場にアクセスしシフト現象で移動することによって、すべての歴史の出来事を実体験してきた。

だからこそ生まれた決意。

最初のコイントスを当てただけでは絶対に生まれなかった感情です。

そんな彼らを前にデルタは皮肉たっぷりに「1人の犠牲者も出さずに人類が救われる未来を作った」と言います。

それに憤りを感じるカルロスに拳銃を渡し、デルタを撃ち殺すかどうかの選択をさせます。

そこで流れるスタッフロール。

あのプレイ開始10分で流れたエンディングがまさかそのまま最終エンドにつながってくるとは予想外。

だけどそれ以上に予想外だったのは、最終ルートに脱出ゲームがなかったこと。

フローチャートに表示されていない部分はもっとあると思ったのですが、思いの外少なかったことにびっくり。

ゼロの正体はともかくとして目的の方は完全に当てていたということもあるので、ちょっと肩透かし感があったかな?

「俺達の戦いはこれからだ!」エンドっていうのもちょっとなーって感じ。

これを引き合いに出すのは卑怯だと思うんですが、『Ever17』はあんな衝撃的な伏線回収をしときながらも最終的なエンディングでは綺麗に終わっていたんですよね。

それに対して『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』の場合は続編を作ろうと思えば作れると思うんですよ。

コンテンツ的にここで終わらせるには勿体無いお話だというのは理解できるのですが、完結編を謳っている以上、きちんと物語を終わらせて欲しかった。

Post-Payoffで描かれたショーン達の話が特に顕著でネタバレなし感想の項にも書きましたが「これ絶対スピンオフする奴だー!」って思ってます(笑)

とはいえここまでの文句は「極限脱出シリーズの完結編という文言があったからで、もし「極限脱出シリーズの続編であればすごく納得の行くエンディングなんですよね。

ゼロの正体は衝撃的でしたし、プレイ開始当初からエンディングを迎えるまで終始、緊張感を持ってプレイすることができました。

「俺達の戦いはこれからだ!」エンドも何らかの形で続編が作られる可能性が残るのであれば、大して気にならないし。

むしろマイナス点らしいマイナス点がゲーム本編内には存在しないという。

なんというか完結編」という言葉に強く期待し過ぎたのかもしれませんね。

総括:紛れも無く極限脱出シリーズ最高傑作だったZTD

とはいえなんだかんだいっても『極限脱出』シリーズの中では最高傑作だと思っている『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』

ここからは細かい点に1つ1つ触れていこうと思います。

とりあえずシナリオキャラクターシステムと項目ごとに分けて書いていきますね。

シナリオ

happyend

何度も言うようで恐縮ですが、シナリオ面で言う不満点は、ラスト以外は本当にないんですよね。

そのラストも別に悪いわけじゃなく、むしろシナリオの展開で言えば限りなく良いと言える内容です。

ただ「完結編」というには不確定要素の多い終わり方だった点が微妙に気になっているだけで、間違いなく今年発売したノベルゲームではトップクラスの出来だと思います。

序盤から終盤にかけては終始、息もつかせぬ展開の連続でそれこそ読む手が止まりませんでしたしね。

ちなみに筆者は最終的にラジカル6FBRを同時に世界に拡散することによって80億人の人類を救う」と思ってました。

60億人の人類を殺すウイルスが80億人の人類を救うってロマンがあると思うんですよ。

やっぱり「完結編」である以上、きっちり人類救われて終わって欲しいですもんね!

キャラクター

『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』は海外ユーザー向けということで、萌えを全面に押し出したキャラクターゲームではなく、限りなくリアル志向のサスペンスとして描かれています。

海外で実写映画やドラマにしても十分に通用しそうな内容で、演じている声優陣も非常に有名どころが集まっています。

キャラゲーではないからこそリアルな人間を描き、その中でそれぞれのキャラクターの持つ濃ゆい魅力が演者によって最大限に発揮されていました。

以下、個別解説。

    carloss

  • カルロス(日本語版CV:杉田智和)
    正義の消防士であり、生粋のシスコンという非常に特徴のあるキャラクター。
    消防活動の中で何度も極限の状況を経験することでシフターとしての能力に目覚めてもいます。
    一番の見せ場はやっぱりC-END:1までの一連の流れでしょう。
    からシフト現象について聞かされ、受け入れてからの意図的なシフトの連続。
    飛んだ先の歴史では尽く命を散らせ、最終的には淳平との約束を果たすもすでにラジカル6は漏洩した後。
    CQD-END:2でも名言を残してくれましたが、それ以上に「シフトすれば問題ない」という精神を見せてくれた彼の行動は強く印象に残りました。
    最後のディシジョンゲームで選択肢を与えられましたが、あれカルロス一人だったら絶対に迷うことなくシフトしたんだろうなって思ってます(笑)
  • akane

  • (日本語版CV:沢城みゆき)
    『9時間9人9の扉』から暗躍をし続けてきた茜。
    そんな彼女の運命もまた一匹のカタツムリによって劇的なものへと変わっていきました。
    両親と死別し、誘拐されてノナリーゲームに参加させられ、そこから生存する未来をつくり上げ、その後は世界を救うために秘密結社を作り上げて暗躍する。
    『9時間9人9の扉』の立ち絵が紹介文通りの大和撫子を全面に押し出したものなのに対して、『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』では世界の行く末を知ったが故に憂いをみせているようにも見えなくもありません。
    今までは自分を押し殺して世界を救うことばかり考えてきた彼女ですが、ラストには淳平と結ばれ幸せになれたのは良かったと思います。
  • junpei

  • 淳平(日本語版CV:鈴木達央)
    『9時間9人9の扉』の主人公にして印象が変わりすぎた人物。
    イラストから3Dに変わったことに加え、性格も変わってしまったことから偽物である可能性を結局、ラストまで捨て切れませんでした。
    たぶんメタ推理のような考えでこの発想に至ったと思うのですが『Ever17』の例を考えるとそう推理しても仕方ないですよね?
    それはともかくとして、自分の思いを伝えなければならないと言いつつも中々に言い出せなかった淳平は結局のところヘタレだったということなんでしょう。
    とはいえ『善人シボウデス』の歴史では45年もの時が経っていてもへの思いを捨てきれなかった辺り、に対する愛の深さは正に無限大といったところなんでしょうね。
    何にしても『9時間9人9の扉』が発売してから6年、2人が無事再開し幸せになってくれたのは良かったと思います。
  • shone

  • ショーン(日本語版CV:豊崎愛生)
    ショーンゼロの正体の仕掛けについては凄く上手い作りだったと思います。
    言われてみれば確かに作中でショーンQと呼んでいるシーンはありません。
    ではどこで呼んでいるか?
    それは公式ホームページや雑誌等のキャラ紹介のページぐらいなんですよね。
    でも普通に考えて今のユーザーってゲーム1つを購入するにしても事前にある程度の情報を集めてから購入すると思うんです。
    そしてその情報は例外なく鵜呑みにしてしまう。
    だから筆者にはショーンQであるという点に対して、一切の疑いを持つことができませんでした。
    それにしてもショーンがエンディング後も稼働していることを考えると量子コンピュータは今でも稼働しているってことなんですよね。
    それを維持するだけでも相当な労力も必要でしょうし、メンテナンスなども必要であることを考えるとディシジョンゲーム自体、デルタだけの考えではなく元々トランスポーターを持っていたドイツやアメリカの研究機関が裏で手を回したとも考えられますね。
  • eric

  • エリック(日本語版CV:石田彰)
    しがないアイスクリーム屋のアルバイトというなんでもない設定。
    それがミスリードであり、ゼロの正体である可能性を疑い続けた人物です。
    デルタの計画は「9人に未来を救うという決意をさせること」でしたが、登場人物の中で唯一エリックだけが何の力も持っていないんですよね。
    力がないのはミラも同じですが、彼女の場合は一応殺人の技術や何事にも動じない精神力などといった面があります。
    それに対してエリックごくごく平凡な青年。
    そんなエリックだからこそ、ミラの心に暖かさを与え、彼女に罪を償わせる道を選ばせたと言えなくもないですが、けれどエリックは弟のクリスが父親に殺害された際に強要されたとはいえ死体遺棄に協力したという過去があるんですよね。
    ミラに自首を促しつつも自分の罪とは向き直っていないエリック
    このようにエリックについては伏線回収が一切、行われていません。
    素直に彼がゼロでありブラザーであればそれが伏線回収だったはずなのに、その全てがミスリードだったため、結果的にエリックについての伏線は宙ぶらりんな状態で終わっています。
    ミスリードであること自体が伏線回収と言えなくもないですが、クリア後に読めるPost-Payoffから物語を膨らませてスピンオフが出てもおかしくなさそうですね。
  • mira

  • ミラ(日本語版CV:坂本真綾)
    表情の変化が理解できずに心に触れるために17年もの長きに渡り、多くの人物を殺していった連続殺人犯ハート・リッパー。
    それがミラの正体なのですが、エンディング後のPost-Payoffではそのことをあっけなく反省し、エリック獄中婚するという超展開っぷりを披露してくれました。
    一応、6人のシフターとともに形態形成場にアクセスしたことにより他の歴史の出来事を体験し、そのことでエリックと一悶着あったと脳内補完できなくもありません。
    エリックを殺した歴史に関してもラジカル6を投与したことによる影響であると考えれば、ミラの本意ではなかったと言えなくもないですしね。
    その一方で「Triangle」から分岐するBADENDではシェルター脱出後にミラエリックを殺しているような演出もなされており、改心するには少し弱いんじゃいかなって思っています。
    こう考えると是非ともエリックと獄中婚してからトランスポーターで過去に向かい、17年前に殺された女性がエリックの母親だとわかるスピンオフが欲しいところですね!
  • diana

  • ダイアナ(日本語版CV:能登麻美子)
    ある意味ではすべての元凶である女性。
    ある歴史ではラジカル6を漏洩させ、またある歴史ではデルタファイを産み、そのまたある歴史では押しちゃダメボタンを押してシェルターを自爆させました。
    そもそもデルタがディシジョンゲームなんてものを仕向けなければ彼女がそんなことをしなかったと言いたいが、そのデルタダイアナが産んでいることを考えると、正に「卵が先か鶏が先か」といった命題にぶつかりますね。
    ちなみに作中で描かれていませんが、「Ambidex」のチャプターでカルロス淳平を裏切った場合、シグマダイアナだけが生還するんですよね。
    もしかすれば能力者でないデルタファイが産まれた歴史っていうのは、こういった流れの歴史なのかもしれませんね。
  • phi

  • ファイ(日本語版CV:小見川千明)
    2029年に産まれたファイは1904年にトランスポートし、そこからさらに2008年にトランスポートします。
    そこで過去の自分自身でもある老夫婦に育てられるというかなり数奇な運命を辿ってきました。
    しかしそんなことよりも筆者が気になったのは『善人シボウデス』の頃と比べてイメチェンを行っているという点です。
    『善人シボウデス』の頃の白い髪に大きな黒い花飾りをつけるという中々なハイセンスの持ち主でした。
    ですがその白い髪の色が染めたもので、それが重要な伏線となってくるとは思いもよりませんでした。
    それはともかくとして何故、メガネを掛けたのか?
    別に似合ってないわけではなく、むしろ花飾り以上に似合いすぎててヤバイのですが、一体どのような心境の変化があったのか?
    そもそも過去のファイが『善人シボウデス』で未来にシフトした際、元からメガネ女子であれば違和感を覚えると思うんです(視力的な意味で)
    ということはあのメガネはおそらくおしゃれメガネということになります。
    人類60億人の命を救うために2074年の未来から2028年にやってきてDcomに侵入しつつも、おしゃれメガネを掛けている余裕があったファイ。
    実は一番、肝が据わっていたのは彼女だったんじゃないだろうか?
  • shiguma

  • シグマ(日本語版CV:小野大輔)
    『善人シボウデス』の主人公、ではあるものの45年の歳月が経っているのでほぼ別人のようなガンコ爺さんとなってしまったシグマ。
    その一方で死別したダイアナのことをずっと忘れずに想い続けており、かといって過去のダイアナ自分の知るダイアナではないときちんとした分別もつけていた。
    けれどそれは一歩踏み出す勇気がなかったことの裏返しで、もしかしてヘタレだったのではないかという疑惑も出てきます。
    淳平も同じくヘタレで、カルロスはヘタレじゃないっぽいけど重度のシスコン。
    『極限脱出』シリーズの主人公にはまともな奴はいないのか!(笑)
    実際、今作においてシグマに関しては目立つ活躍がほとんどないんですよね。
    パッケージ絵になっているというのに唯一の活躍がD-END:1の爆弾を解除に向かったシーンぐらい。
    しかも結果的に解除に失敗し両腕と右目を失ってしまう始末。
    とはいえファイと親子という情報を知った上で『善人シボウデス』をプレイするとまた違った目線でプレイすることができるという意味では需要な役どころだったのかもしれません。
    それにパッケージ絵になった選択肢は作中屈指の決断を迫られる箇所だったので、そういった意味では活躍していないシーンがないとは言い難い。
    淳平とは入れ替わる形で『善人シボウデス』で言うところの天明寺のような役どころだったのかもしれませんね。
  • zero

  • デルタ(日本語版CV:立木文彦)
    シグマダイアナの子供で、ファイの双子の兄、さらにはカルト集団フリー・ザ・ソウルのボスであるブラザー、そしてディシジョンゲームを開催した2番目のゼロデルタを語る要素は多くあります。
    ですがもう何と言っても、ゼロの正体が明かされたあの場面、あの衝撃には凄まじい物がありました。
    それこそ『Ever17』の大仕掛けが明かされた時と同じくらいの衝撃を味わったように思えます。
    ただデルタに関しては1つだけわからないことがあって、それは各キャラクターがディシジョンゲームに臨む際にデルタマインドハックを使っていたかどうかという点です。
    処刑投票の際に、指示に反した票を投じるとダイアナ何故そちらを押したのかわからないといった反応を示します。
    これと似たようなシーンは多くあり、それとデルタの能力や目的を鑑みてすべての選択はデルタの意思によるものだと考えていました。
    けれど少なくとも最後のディシジョンゲーム、コイントスを当てた歴史にシフトするかどうかを決断する際にはすでにデルタは事切れていたはずです。
    なのにプレイヤー側に選択の自由が用意された。
    その部分だけが妙な引っ掛かりを覚えます。
    すべての決断を操作していたのではなく、要所要所で操っていたと考えればそれまでですが、なんかそれだと筆者の中ではしっくりこないんですよね。
    それ以外にも120歳超えの高齢なのにそうは見えなかったり、目の色がおかしかったり、2074年の頃にも生きているような記述があったりなど、わけがわかりません。
    『善人シボウデス』再プレイすれば少しはわかってくる部分もあるとは思いますが、これだけ謎が残っていると続編作られてもおかしくなさそうです。
  • gabu

  • ガブ
    『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』の癒やし担当である介護犬。
    15歳を超えた高齢で、ある歴史においてはデルタに殺されてしまうものもありました。
    そんなガブもまたミスリードの1つなのですが、やはりQチームが抹殺ボタンを押した歴史において鎖で身動きが封じられていたのが気になります。
    結局、あれってショーンをシェルターから出さないためデルタが施した仕掛けってことでいいんですかね?
    時系列的には後になるDチームが抹殺ボタンを押したルートでは、鎖に繋がれていなかったことを考えるとそうとしか考えられないわけだが、その理由が一切わからない。
    何せデルタが量子コンピュータを操作するだけでショーンを自由に操ることができたわけですから。
    個人的にはかなり重要となってくる箇所と思っていただけに回収されることもなく終わってしまったのは肩透かし感がありましたね。
  • カタツムリさん
    厳密には登場キャラクターではないのですが、語らずにはいられないカタツムリさん。
    最早、さん付けせずには語れないカタツムリさんの活躍によって6人の人物が死亡し、その死がやがて60億人の死につながった。
    けれど言い換えれば80億人の人類を救い出す未来を作り上げたとも言えます。
    カタツムリさんが道にいなければ、茜の両親が死ぬこともなかった。
    両親が死ななければは誘拐されノナリーゲームに参加させられることもなく、シフターとしての能力に目覚めることもなかったでしょう。
    シフターとして目覚めなければ、淳平カルロスも目覚めることはなかったし、そもそもディシジョンゲームに参加する理由もなくなる。
    デルタがディシジョンゲームを開催したことやファイの生まれについては影響がないかもしれませんが、それでもCチームのメンバー全員が未参加となれば全く違った歴史になったのではないでしょうか?
    少なくともCQD-END:2のように参加者9人が未来を救うという確固たる決意を固めるには至らなかったでしょう。
    結果的に80億人の人類を救ったカタツムリさんマジパネェっす!

システム

元々『極限脱出』シリーズは普通のノベルゲームに「脱出ゲーム」の要素を合わせたところから始まりました。

本作はそれに加えて様々なシステムを実装し、それがシナリオとの相乗効果を生み出しプレイヤーを物語に引き込んでいった印象を受けました。

以下、個別解説。

  • フローティング・フラグメント・システム
    時系列不明の出来事を体感するという「フローティング・フラグメント・システム」は、形態形成場にアクセスしシフト現象を引き起こすという『極限脱出』シリーズの設定と非常にマッチしていたように思いました。
    筆者は素直に左上から出ているものを順番に攻略していったのですが、人によっては一回目のフラグメント選択でQ-END:1D-END:1を見ることになったと思うと面白いシステムですよね。
    この「フローティング・フラグメント・システム」はある種、ゲーム外のプレイヤーに向けたディシジョンゲームのようなものだと筆者は感じています。
    極限状況、というわけにはいきませんがプレイヤーの選択によって物語の順番が変わり、それによって感じ方が変わる。
    それこそ十人十色の感じ方をより顕著にさせてくれる良いシステムだと思いました。
  • グローバルフローチャート
    「フローティング・フラグメント・システム」だけではわかりにくい時系列を可視化してくれた「グローバルフローチャート」
    『善人シボウデス』プレイ済みであれば、そこにも仕掛けがあると勘ぐってプレイしたと思いますが案の定、物語の終盤でフローチャートは大きく変化しました。
    筆者としては、最終的にバッドエンドを除いたすべてのフローチャートが一本道になるのではないかとまで思いながらプレイしていたこともあって、かなり頻繁にフローチャートを確認することとなりました。
    とはいえ時系列が解ったところで、それはあくまでキャラクター目線の主観であって正しいものではなかった。
    そして鵜呑みにしないようにしていたつもりが思いの外、信じ込んでいたからこそ答えにたどり着くことができなかったのかもしれません。
    この「グローバルフローチャート」もある種のミスリードだったのかもしれません。
  • クエストパート(脱出ゲーム)
    実は『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』において「脱出ゲーム」はそれほど重要ではなかったと思っています。
    というのは今作の最大の目的がシェルターからの脱出ではなかったからです。
    エリックミラなどは脱出のことを重視して考えていたのでしょうが、少なくともシグマ、ファイにとってはラジカル6の漏洩を防ぐことが1番の目的であり、脱出は二の次だったのではないかと思います。
    そしてそれは『善人シボウデス』からプレイしていた筆者にとってもそうでした。
    もちろん「脱出ゲーム」の出来そのものに関しては何一つ不満はありません。
    けれど物語の展開が面白すぎて、早く続きを読みたい筆者にとっては合間合間に挟む「脱出ゲーム」が邪魔に思えたくらいです。
    そんなことを言いつつ、CQD-END:2までのルートには「脱出ゲーム」がなかったことを不満に思っている辺り、やはり必要な要素だったと思っています。
  • シネマパート
    『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』における「シネマパート」
    普通のノベルゲームでいうところの立ち絵が表示されて会話するような部分ではありますが、『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』では完全3Dで描かれています。
    の髪の毛がまるで犬の尻尾のようにパタパタ揺れているなど部分部分で変な箇所もありますが、全編3Dという試み自体は評価に値すべきポイントだと思います。
    3Dであったからこそ、ショーンのマスクなどはよりリアルに描かれていたと思いますし、殺害シーンにおいても過度にグロくなく、それでいて死んでいるとはっきりわかる3Dになっていたようにも思えます。
    ですがより評価できるのはむしろ背景の方。
    そのまま配役を実写にしても通用しそうな背景の描写は実に素晴らしく、だからこそ脱出ゲームも非常に楽しくプレイすることができました。
    これが本当にチープなものであれば、それこそ本当に脱出ゲームは不必要だったと思っていたぐらいです。
  • ディシジョンパート
    『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』の肝となる「ディシジョンパート」
    極限状態に置かれたキャラクターたちがその中で正解のない問いに対しどのような答えを見せるのかというもの。
    そこで行った選択の1つひとつが非常に重たいもので、キャラクターたちの行く末を決めるというものになっています。
    最終的にはそれらの重たい選択を経験したことで未来を変える決意をするわけですが、即座に運命を決定するだけではなく、その選択によって後々に影響を与えるという点が非常によかったです。

ゲーム外のシステムという意味では、ブックレットの謎解きPSVita/3DS/PCの3機種で同時発売されたのも良かった点だと思います。

ブックレットの謎解きは問題に対する正しい答えは1つではないという『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』の特徴を持った問であり、その上で非常に歯ごたえたっぷりのものとなっています。

また3機種同時発売という点に関しても、ユーザーが望むプレイスタイルに対してそれぞれの選択肢を取ることができるという意味では非常に優れており、制作陣側の気遣いが伺えます。

こういった細かい点が人気作として国内外から評価を受けた理由なんでしょうね。

decision

と、長くなりましたが『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』の感想・考察記事は以上となります。

筆者は今回も見事に騙され、しかもこうしてネット上に検討ハズレな意見を晒す羽目になったわけですが、それでも非常に楽しめました。

前回も書きましたが、おそらくプレイ済みの方が最初の記事から見てれば物凄くほくそ笑んでいたでしょう。

むしろクリア済みの歴史までたどり着いた今の筆者が自分の記事を読んでもと指差して笑えてくるぐらいです。

拙いどころか間違った考察ばかりでしたが、も最初からここまでお付き合いくださり、誠にありがとうございました。

以上、CQD-END:2のレビュー、およびに『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』の総括でした!

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