【レビュー】君の名は。 あらすじ詐欺を行った結果、興行収益200億に待ったなし!?

2016/11/17

新海誠監督の名を世に知らしめた『君の名は。』

2016年8月26日に公開され、約1ヶ月で興行収入100億を達成し(アニメ映画監督としては宮﨑駿監督に次いで2人目の快挙)、約2ヶ月で興行収入150億、動員数1000万人突破など、日本映画を代表する名作となりました。

これまでの新海誠監督の作品とは比べ物にならない大ヒットを果たした『君の名は。』を見に行ったので、簡単な感想などを書いていきたいと思います。

ちなみに結構、毒を吐いた感想になっていますが、「映画館に見に行ってよかった」と素直に思えた作品だったということをはじめに言っておきます。

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風景描写が素晴らしく、ストーリーは平凡だったこれまでの新海ワールド

『君の名は。』の紹介に入る前にまずは筆者にとって新海誠監督がどういう印象の監督だったのかを語らせてください。

そもそも筆者が初めて新海誠監督が携わった作品に触れたのは上記の『ef』のOPでの出来事。

この時、新海誠監督はOPの映像監督として参加し、この際は別の方が風景を描いていたのですが、そのOPを見て深い衝撃を受けたことを今でも印象深く心に残っています。

そこから『ほしのこえ』『秒速5センチメートル』などの作品を見ていったのですが、やはり風景描写の緻密さ・美しさに深いこだわりを感じ、感銘を覚えました。

その一方でストーリー面の印象はほとんど残っておらず、なまじ映像美が素晴らしすぎるからこそ、ストーリーは頭に残らなかったのではないかって思っています(ストーリーも面白かったけどね)

だから不思議だったんですよね。

このあらすじで何故、これだけの大ヒットをしているのかと……。

微妙に詐欺ってる『君の名は。』のあらすじ

というわけで『君の名は。』のあらすじを公式サイトから引用させていただきます。

千年ぶりとなる彗星の来訪を一か月後に控えた日本。山深い田舎町に暮らす女子高校生・三葉は憂鬱な毎日を過ごしていた。
町長である父の選挙運動に、家系の神社の古き風習。小さく狭い町で、周囲の目が余計に気になる年頃だけに、都会への憧れを強くするばかり。

「来世は東京のイケメン男子にしてくださーい!!!」

そんなある日、自分が男の子になる夢を見る。見覚えのない部屋、見知らぬ友人、目の前に広がるのは東京の街並み。
念願だった都会での生活を思いっきり満喫する三葉。一方、東京で暮らす男子高校生、も、奇妙な夢を見た。
行ったこともない山奥の町で、自分が女子高校生になっているのだ。繰り返される不思議な夢。そして、明らかに抜け落ちている、記憶と時間。二人は気付く。

「私/俺たち、入れ替わってる!?」

いく度も入れ替わる身体とその生活に戸惑いながらも、現実を少しずつ受け止める三葉。残されたお互いのメモを通して、時にケンカし、時に相手の人生を楽しみながら、状況を乗り切っていく。
しかし、気持ちが打ち解けてきた矢先、突然入れ替わりが途切れてしまう。
入れ替わりながら、同時に自分たちが特別に繋がっていたことに気付いたは、三葉に会いに行こうと決心する。

「まだ会ったことのない君を、これから俺は探しに行く。」

辿り着いた先には、意外な真実が待ち受けていた……。

出会うことのない二人の出逢い。運命の歯車が、いま動き出す

引用元:君の名は。公式サイト

色々と長ったらしく書いてありますが、要約すると、

  • 田舎の女子高生・三葉と都会の男子高校生・の精神が入れ替わる
  • ある日を境に入れ替わりがなくなり、連絡もつかなくなる
  • 直接、会いに行った先で待ち受けた衝撃の真実とは!

って感じです。

なお見出しでも書きましたがこのあらすじ、軽く詐欺ってます。

別に嘘を書いているわけではないのですが、「いく度も入れ替わる身体とその生活に戸惑いながらも、現実を少しずつ受け止める瀧と三葉。残されたお互いのメモを通して、時にケンカし、時に相手の人生を楽しみながら、状況を乗り切っていく。」って部分。

これ、映画本編中には歌が流れる中でダイジェスト形式での3分ほどしかありません。

そりゃ確かにそんな物語の展開であればこれほどの大ヒットは記録しないでしょうが、このあらすじだけ見たら勘違いしますよ。

実際、筆者はそれで友人に誘われるまで見に行く気が起きませんでしたからね!

予想できそうで予想できない展開の数々

さて、ここから本格的なネタバレに入っていきたいと思います。

広告の下はネタバレ全開となりますので、初見で映画を楽しみたいという方はここでブラウザバックをお願いします。

三葉が入れ替わりには、3年越しのタイムラグがあり、瀧にとっての三葉はすでに亡くなっている人だった。

そんな三葉を救うために瀧は再び入れ替わり、過去を変えようとする。

というのが『君の名は。』に隠された真のあらすじです。

正直なところ、タイムラグがあるというのはなんとなく予想できていました。

ただすでに三葉が亡くなっているとは思わず、むしろ瀧の方が過去で実は三葉の父ちゃん辺りなんじゃないかとか思ってたんですよね。

てか物語中盤まで、筆者は瀧という名前を名字だと勘違いしてたんです(笑)

運良くパンフレット買えて熟読したから故の想像だったのに、キャラクターの名前の部分を勘違いしているってどういうことなんだorz

……何にしてもストーリーの方は目新しさはないにしてもあらすじを鵜呑みにしていた筆者としては結構衝撃的で楽しめました。

むしろあらすじで隠されているからこそ、実際に劇場に足を運んだ人が大絶賛したような気がします。

だって予想の斜め上の方向で面白かったのですから。

見ていてツッコミが抑えられない展開の連続

とはいえ今回、ストーリー上で違和感を覚えることが多かったです。

その辺を1個1個取り上げていきますね。

三葉と瀧が惹かれ合う気持ちがわからない

個人的に一番致命的だと思ったのがこの部分。

あらすじの項でも書いてある通り、二人の入れ替わりの日常は劇中にして数分の出来事です。

一応、入れ替わりを自覚する前段階で日常シーンを30分ほど描いてはいるのですが、まだその段階で2人は入れ替わっている事に気づいていません。

つまりその後に二人は惹かれ合うことになるのですが、その期間は劇中にして数分しかないのは、いくらなんでも視聴者に伝わりにくいのではないでしょうか?

尺の都合というのもあるのだろうけど、この辺が感情移入できなくて靄靄しました。

二人が時間の流れの違いに気づかなかった理由は?

入れ替わり現象が起きていることに気づくまでに時間がかかったのはまだ理解できるんです。

でも瀧にとっては3年前三葉にとっては3年後だという事実に気づかなかったのは何故なのか?

彗星のこともそうですが、テレビニュースでやっていたくらいなのだから察しが良ければすぐに気づくと思うんです。

そうでなくともスマホに表示されていると思うんですよ。

もしかするとその辺のこともあるから、入れ替わっている期間の描写を深く描かなかったのかもしれませんね。

彗星の軌道に違和感

夜空に大きく描かれる彗星。

その描写はきめ細かく非常にきれいなものだったのですが、ちょっと待って!

彗星って本当にあの軌道で糸守町に落ちるのでしょうか?

正直、筆者は天文学についてはほとんど無学なのですが、それでも違和感を覚えずにはいられませんでした。

「君の名は 彗星 軌道」で調べてみたけれど、やっぱり同じ疑問を持った方は大勢いたようで考察している方が結構いたようです。

意図的なものなのか、それとも作り手の調査不足なのかはわからないけど、あの部分はなんか変に感じました。

ラーメン屋のおじさんのキャストコメントが欲しかった

劇中の出来事ではないのですが、パンフレットでほしかったなぁと思ったのはラーメン屋のおじさんのコメントです。

糸守町を見つけるのに一役買い、瀧が宮水神社の御神体に向かう時、途中までさり気なく車で送ってくれたおじさん。

個人的にはかなり重要な立ち位置の登場人物だったと思うんですよね。

スタッフロールにも個別に名前が載ることもなかったですし、ある意味では一番の不満点はかもしれません(笑)

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なんだかんだ言いましたが凄く楽しめた『君の名は。』

色々と言いましたが、作品そのものについては非常に楽しめたと思っています。

パンフレットにて新海誠監督「楽しめる作品」を目指して制作したと言っていましたが、正に感想はその一言で十分な作品だと思います。

新海ワールド特有のこだわった風景美シンプルなストーリー演者たちの魂の篭った熱演。

何より『君の名は。』という短いタイトルに込められた深い意味が素晴らしい。

細かい点には色々とツッコミどころはあるけれど、そんなものを無視すれば物凄く楽しめる作品だと思うんです!

個人的には新海作品は劇場で見るのが一番楽しめると思うので、まだ見ていないという人は今からでも遅くないので劇場に足を運びましょう!

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