火垂るの墓 戦後70年の今だからこそ見るべき鎮魂の物語

2015/09/18

2015年8月14日(金)から3週に渡り金曜ロードショーで巨匠・高畑勲監督の作品が年代順に放映される。

8月14日には『火垂るの墓』が、8月21日には『おもひでぽろぽろ』が、8月28日には『平成狸合戦ぽんぽこ』が放映されるわけだが、そのいずれも高畑勲監督を代表する名作だ。

だがジブリ作品といえば『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』など宮崎駿監督を思い浮かべる人の方が多く、高畑勲監督はどことなく影に隠れがちな印象を受ける。

そこでここでは放映前に軽くおさらいも兼ねて各作品を紹介していこうと思う。

今回は『火垂るの墓』

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実体験をもとに執筆された『火垂るの墓』

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『火垂るの墓』は1988年に『となりのトトロ』と同時に劇場公開された。

だがその内容は大きくかけ離れており『となりのトトロ』がファンタジー要素に溢れた子供向け作品であるのに対し、『火垂るの墓』では戦争の悲惨さと戦後直後で「生きる」とはどういうことなのかを顕著に描いていた作品となっている。

それもそのはずで原作小説である『火垂るの墓』は執筆者である野坂昭如氏実体験をもとに書かれた物語なのだという。

実際、野坂昭如氏神戸大空襲で養父を亡くし、下の妹を疎開先の福井県で栄養失調で亡くしているのだという。

つまり作中の主人公である清太のモデルは野坂昭如氏自身、その妹である節子のモデルは氏の妹ということになる。

高畑勲監督のこだわり

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そんな『火垂るの墓』を劇場アニメ化するにあたって高畑勲監督のこだわりを感じるのがそのキャスト陣だ。

14歳という設定の清太には当時16歳の辰巳努を、4歳の節子には当時6歳の白石綾乃を声優としてキャスティングしており、それ以外のキャラクターもキャラクターもすべて関西出身の人で固めている。

また当初は60分映画を予定していた『火垂るの墓』だったが、60分では描ききれないと判断したのか、90分の長編映画となることとなった。

しかしその弊害もあり、公開予定日までに彩色の作業が間に合わないことが判明したのだ!

これに対し高畑勲監督「演出意図としての必然性が感じられれば、見る人に受け入れてもらえるのではないか」という苦肉の策で一部のシーンは色の付かない白味・線撮りの状態で上映することとなった。

そういった場面は公開後も制作され続け、後に差し替えられている。

ある意味では劇場公開直後でしか体験できなかった演出というわけだ!

今の若者たちが知らない当時の悲惨さを描く

『火垂るの墓』で描かれている戦争の悲惨さ。

それは現代日本の若者が知らないものばかりだ。

日本が平和の国になったと言えば聞こえはいいが、このような光景がごく当たり前のように起きている諸外国は現在でもある。

日常の平和の尊さを再確認する意味でも金曜の夜は家族と一緒にテレビを視聴してみるのもいいかもしれない。

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